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九美がパイモンに拐われ3日という長いようで短い時間が過ぎ去り、とうとう決戦の日を迎えたゴエティア一同。
そのゴエティア一同が待ち構える場所は、本拠地であるヘルグリムの中にある大広間。
そこに確認できてる範囲で現存しているほとんどの祖人が集まり、数で言うと43人しか居ない。
それに、その中に大我の姿は無かった。
「皆、よく聞くんじゃ」
ゴエティアの長である啓は、出来るだけ声を張って、大広間にいる祖人全員に伝わるように言った。
「ソロモン72柱から宣戦布告を受けたという情報が入っているのは、皆も知っておるじゃろう」
啓を除いた42名の祖人達が固唾を飲み込んだ。
「これはピンチでありチャンスでもある。未だ解明されていない結界がある以上、我々がソロモン72柱に攻撃することは不可能である」
「だから好機ってワケか」
「左様、だからお主にも協力を願いたい」
話に割って入ったのは“爆”の使い手である勇。
その横には洋介と未だ回復しきっていない龍の姿があった。
「却下、僕は自ら戦うことなどしない」
「ちょっとアンタ! 何身勝手なこと言ってるのよ!」
その言葉が頭にきた涼香が怒声を飛ばす。
しかし、勇は表情を崩さず、大きな欠伸をしただけであった。
「ふん、自ら戦うことはしない。だが、町の散歩ぐらいはしてやる」
そうして勇と洋介は大広間から出ていってしまった。
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