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そんなあいつは、俺の友達の一人である。
あいつが今日言いだした大ニュースは、クラスを騒がせるには十分なものだった。
「喜べ男子!今日このクラスに転校生が来るらしいぜ!?しかも女!」
もちろんクラス中がその話題で盛り上がる。
「転校生かぁ~。ねぇソウちゃんは気にならないの?転校生だよ?可愛い子かもしれないよ?」
隣の席、話しかけてきたクラスの女子。その中でも特別仲の良い女友達である。
ま、仲が良いのも当たり前だろう。
俺とこいつは家が隣同士で、小さい頃からよく遊んでいたからだ。
世間一般で言うところの幼なじみという奴である。
小、中、高と同じ学校へと通った腐れ縁だ。
「気になるさ。気になるけど、気にする余裕がないのだよ、俺には…」
「ソウちゃんなんかいつもと違うよ?熱でも出ちゃったかなぁ?」
ショートの髪、そして大きな瞳、優しく、少し天然な性格。
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