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風に靡くその髪、学校の制服を身に纏い、スカートから伸びる白く長い足。
登校中の誰もが足を止める。
そして男女問わず、誰もが彼女の存在に釘付けになった。
凛々しいその姿、その美しさに目を奪われる。
―――由奈に話しそうになった昨日の父の手紙の話を、適当にはぐらかす。
あの事実はまだ誰にも話さなくていい。
俺の心の内に留めておこう。
「宗一！女の転校生だぞ！？可愛かったら俺が狙うからな！」
「勝手にどうぞ」
そしてさっきまで大ニュースを騒がしく振りまいていた人間スピーカーが、いつの間にか俺の元にいた。
加藤孝治（かとうたかはる）。
クラスの中でも仲の良い友達だ。ただ、三度の飯より女が好きという性格なので、女子からあまりいい印象を持たれない。
ただ、悪い奴じゃないのになぁ。
「お前もそろそろ女の一人や二人作って、学生生活をエンジョイした方がいいんじゃねーの？」
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