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孝治の言う通りかもしれない。
さすがにこのまま高校生活を終えるのは勿体無い気がする。
ただ、生活に変化が訪れると、妙な不幸せに見舞われる可能性も高い。
だからとりあえず…
「ほっとけ」
と言っておく。
キーンコーンカーンコーン…
朝のチャイムが鳴る。
―――校舎内、二階廊下。
いくつかの足音が響く。
その足音が向かうのは、二年三組の教室だ。
先頭を歩いていた男がドアを開けた。
―――担任が教室のドアを開く。
担任の表情は、いつもより少し堅い。
わかっている、転校生が来るんだ。
生徒達も次に入ってくる生徒を、固唾を呑んで見守る。
教室内に、二人の女性が入ってきた。
一人は二十代くらいの女性で、制服を着てない事から、彼女は転校生ではないだろう。
そしてもう一人の方は…
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