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ここ二年三組に、三年生も一年生も、どこのクラスからも生徒達が集結した。
クラスが他のクラスの生徒達で埋まりそうな勢いである。
さすがMaika人気、恐るべし。
「宗一…」
孝治が俺に話しかけてくる。
「ん?」
「キタ…キタぞ宗一…春が……キターーーーーーー!!」
孝治のテンションの上がり方はもはや天をも貫く勢いだ。
「もう夏だけどな」
「孝治のはるは、春夏秋冬の春!」
「いや、違うけど」
「俺は狙う…狙うぞ!彼女を…Maikaを…この手に!」
もはや俺が何を言ってもこいつは止まりそうにない。
「まさかあのMaikaが転校してくるなんて、運命かなぁ?」
由奈がいつも通りにそんな発言をするが、これが偶然の積み重ねによる運命のはずがないと感じているのは、多分俺と、舞華本人だけだろう。
今や売れっ子アイドル、町を歩いていただけでも大騒ぎなのに、そんな彼女がこんな何の変哲もない高校に編入してくるはずがない。
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