第一話 転校生はスーパーアイドル

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さわらぬ神に祟りなしとは、本当にその通りだと思う。 彼女が席を立ち上がり、人混みを割いて俺の方へと向かってきた。 俺はどう反応するべきか、頭の中でいくつか案を導き出す。 まず一つ、トイレへ行くふりをしてこの場を凌ぐ。 二つ目、人違いのふりをする。 三つ目、ただ知らんぷりを決め、彼女が話しかけてくるまで目を合わせない。 俺がただの一生徒で、彼女の事を遠目で眺めているだけの小心者ならば、彼女は俺に話しかけてくることはまずないだろう。 だが今は事情が違う。 昨日の夜、あの手紙を読んでしまった俺は、多分間違いなく彼女が俺に話しかけてくるという自信があった。 それは多分彼女も知ってる事だろう。 じゃなかったら彼女は俺に近付いてなど来ない。 それ以前に、この学校にも来てないし、このクラスに足を踏み入れる事もないだろう。 「あんた、真柴宗一だよね?」
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