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彼女が席を立ち俺に声をかけるまでの数秒間の内に色々考えちゃったけど、考えすぎた結果何か先手を打つ前に話しかけられてしまったーーー!
「宗一!てめぇ!俺の名前すら覚えられてないのに!」
孝治の怒りの声が聞こえる。
話しかけられてしまったのなら仕方がない。何か反応を示さなくては。
顔を上げ、俺の席の前に立った彼女の顔を見上げる。
(か、か…かわえぇ…)
あまりに整った顔立ちは、テレビで見るのとそっくりだ。
あ、同一人物か。
彼女の顔に見とれ、にやけそうになる顔。
頬を叩き深呼吸して、俺はようやく答える。
「そ、そうだけど…」
もちろんこのやりとりを見ているオーディエンスは沢山いるわけで。
突き刺さるような鋭い視線が俺の元へと降り注がれる。特に男子。
誰か、助けて下さい。
「あんた、校内を案内しなさいよ」
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