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「そうだよ!宗一じゃなくても俺が案内するよ!」
「そうだそうだ!」
周りから色々言われてるが、それでも彼女は俺以外に見向きもしない。
彼女は不機嫌そうに眉をひそめ、そして俺の手を握った。
「え…?」
「私はあんたに言ってるの。さっさと案内しなさいよ」
握った手を引っ張られ、俺はついに自分の席を立ち上がる。
「わ、ちょ、ちょっと待った!」
「私は待たされるのが嫌いなの」
他のみんなの視線が俺に注がれていた。
痛い、みんなの視線が痛い!
そのまま廊下へと引っ張り出されて、俺は彼女に話しかけた。
何で俺なんだという話はもう大方理解できているので、そんな事は今さら聞かない。
「俺にどうしろっつーんだよ…」
「何度言わせる気?」
「……あ~わかったよ。案内すればいいんだろ?」
「そうよ。早くしなさい。昼休みが終わっちゃうわよ?」
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