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出来れば、このままずっとここにいて欲しいとさえ思う。
「明日は宗一様の十七歳の誕生日ですね」
「そうだね。もう十七か…早いもんだなぁ…」
茜さんはクスッと小さく微笑んだ。
「ん?何か変なこと言った?」
「あ、いえ、…ただまだ宗一様はお若いのに、随分おじさんぽい事を言うなぁと思いまして」
「ははは、今に始まった事じゃないよ」
「それもそうでしたね」
俺は出された分をすべて平らげ、そして一息ついた。
「ごちそうさま」
いつもより量が多くて、腹がはちきれそうだ。
食後、いつものように居間のテレビを見る。
俺の家はやっぱり少し特殊で、テレビもやたらにデカい。
音質もすごく良い。
そんなテレビでは音楽番組が放送されていた。
「それでは登場していただきましょう!弱冠十六歳の歌姫、MaikaさんでInnocent Rain!」
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