プロローグ 変化する日常

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「これが最後の手紙か…」 読むのには少し勇気が必要だ。 最後の手紙に、父は一体何を書いたのだろうか。 「茜さん、読む前に風呂入ってくる」 「はい、どうぞ。お風呂の準備はもう出来ていますよ」 そして俺は無駄に長い廊下を突き当たりまで移動し、いつものように無駄に広い脱衣所で服を脱ぐ。 ガラス戸を開けば無駄に広い露天風呂がある。 まるでここはどこぞの温泉だ。 実は両親が、家に温泉が欲しいって事で実際に掘ったらしい。 見事に温泉が出て、ここに家を建てたのだ。 風呂は中にも小さい奴もあるが、俺は毎日露天に入ると決めている。 8の字の形をしていて、大きさも二十人は軽く入れるほど大きい。 まさに無駄に大きな家だ。 俺はいつもの定位置である岩に寄りかかり、空を見上げた。 夕暮れは過ぎ、空には瞬く星達が何十、何百と輝いている。 「父さん、母さん、俺…楽しくやってるよ…」
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