10612人が本棚に入れています
本棚に追加
/693ページ
呟いてみたけど、それが二人に届いたかはわからない。
だけど、きっと届いてると俺は信じてる。
まぁ、この時はまだ、平和で変化のない毎日が続いていたわけで、俺にとっては十分に幸せな時間だったと思う。
でも、どうしてだか人生ってのはそんなに普通に事が運ぶわけでもなく、何かしら変化の風が入って来るものだ。
その変化の風でも、僅かな変化しか起こらない人もいれば、生活が180度変わってしまう人もいるわけで。
俺は後者の方だなんて、もちろんこの時は知るはずもなかった。
始まりはそう、あの手紙。
父親が残した最後の手紙が、すべての始まりだったに違いない。
「な、な、な、な…」
その夜、俺の元に吹いた変化の風は、荒れ狂う暴風であった。
「なんじゃこりゃああああああああああああ!!」
最初のコメントを投稿しよう!