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俺は英語よりもまずは日本語をしっかり話したい。英語はその後だ。
よし、今日はこれを言い訳にして先生の質問をうまく回避しよう。成績の悪い俺は、問題に答えられない言い訳を考えるのに、いつも必死なのです。
本日の言い訳を思い付いた俺はあとは教師が現れるのを待つばかり。さて、暇になったことだし隣に座るあかりと会話でもするか、と考えて口をひらこうとすると、耳に唾が飛んできた。
「やや、君はわたしのダーリンじゃないか、おはよう! ここにいるってことは君も英語の補習かー。そろって補習なんて周波数ぴったりだね、わたしたち。えへへっ、相性ぴったりだよね、いやん」
唾が飛ぶ勢いで俺に話しかけてきた変態は当然のごとくと言った風情で、あかりとは逆の隣に腰掛けてきた。ぎぎぎ、と潤滑油を知らないロボットの動きで顔をそちらに向ける。
声とセリフの中身で確信してはいたが、話しかけてきたのは城中沙耶と名乗った変人だった。やっぱりか……。
多角的にさっきのセリフにつっこみを入れたいが、こいつみたいな真正の変態に一応知り合いはいる。ガチで中二病に罹患(りかん)しているもう一人の幼馴染である雄一だ。
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