夏だー! 海だー! ……でも俺は補習だった……

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 俺をよく連れうんこに誘うそいつは、相手をしてやればやるほどどんどんつけあがる八つだ。しかし、逆に相手にしなければ大人しくなるやつだ。同じ変態である城中沙耶も同じだろう。  ツッコミを入れたいのはやまやまだが、ここは堪えるとする。こういうのは最初が肝心なのだ。変態のセリフを清流のように聞き流し、 「なあ、あかり、ちょっと良いか?」 「うん? なんだい、きょっぺ? 今日の言い訳はもう考えたのかい?」 「ああ、それはばっちりだ。心配はいらない」 「……むしろ、毎回言い訳しか考えてない君の将来が心配なんだぜ……」お前は俺のおかんかよ。ほっとけ。「まあ、いいや。ところで、なんの用だい? 大切なきょっぺの話だ。どんなにくだらないことでも耳は貸すよ」  さらりとけなされた気がする。 「いや、今日の帰りさ、一緒に飯でも食いに行かないか? っていう誘いなんだが」 「行く」即答だった。 「そっか。雄一はどうする? あいつも誘うか?」  背後の気配をなお無視し、俺は言葉を発した。 「……それはどっちでもいいけど……」と、あかりは言葉を切って俺の後ろに目をやってから、「それよりも、きょっぺの隣に座ってる子の方が気になるんだぜ? ハンカチを噛んで『キーッ』みたいなことしてる……」
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