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その光景を見た調子の良いクラスメートから囃(はや)されちゃって。2人で泡を食って否定をしたらセリフがぴったり一致しちゃってさらに囃されて。
それがきっかけに2人は仲良くなり、最終的には付き合ったりしちゃう展開が待ち受けているのだ!
これはもう、割り箸を使わないなんて選択肢はうさぎがあの長い耳で逆立ちをして歩いちゃうくらいないのだ。文句は誰にも言わせない。
……もっとも今のところ、割り箸は俺が使う以外に、一回だけ温情であげて以降味をしめたのか、口やかましい幼馴染とばかな幼馴染にあげる以外に使用されていない。
そんなこんなで、夏休みを二日後に控えた、昼休みのことになる。今日も今日とて割り箸を忘れて俺と恋仲になる女生徒は現れず、俺に割り箸をたかるためにわざわざ他クラスからやってきた幼馴染2人と合わせた机を囲み、割り箸を持って俺はひっそりとため息をついたのだった。俺の青春、絶対に間違ってる。
俺の青春と恋は割り箸に託したのだ。それ自体は間違いではないはずだ。じゃあ何が間違っているというのだ? わからん……。
俺の苦悩など知ったことかと言わんばかりの能天気な顔で弁当をぱくついている幼馴染がうらやましい。こいつらに悩みなんてないに違いない。
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