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「……そうだ。 メール、メールが来てたはずだ」 興奮冷めやらぬままポケットから携帯を探る。 「?」 彼は携帯を見つけると同時にある事に気が付いた。 彼の利き手である左腕には、見覚えのない腕時計のような白い機械が取り付けられていた。 「時計……?」 4cm四方ほどの 正方形の液晶画面に、デジタル時計の字体で黒く『10:00』とだけ映っている。 ボタンらしきモノも見当たらない。 言うまでもないが取り外す事は不可能のようだった。 それは吹雪を更に高揚させそうなモノだったが彼は意外に冷静だった。 操作しようのない機械(トケイ)より、使い慣れた機械(ケイタイ)のほうが自分を更なる高揚に導いてくれると判断したからだ。 興奮を抑え、ゆっくりと、二つ折りの携帯を開く。 ―新着メール ✉1― 吹雪はカッターシャツの2つ目のボタンを開け、受信ボックスを開いた。
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