香川 勝

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「それにだ、前言ったけど俺は俺なりに勉強するから、お前に教えてもらう必要は…無い!」 手を梨香の前にピシャリと突き出しながら『拒否』の意思を示す。 勝の言動に反応して動きを止めた梨香は、明らかに呆れた表情になっている 「なっ、あんた自分の立場解ってるの?三年生になったってのに赤点取ってるあんたが何を偉そうに」 「解ってるさ、解ってるから言ってるんだよ」 「解ってない!全然解ってないよ、あんたこのまま大丈夫なの?勉強もしないで毎日遊んで、進学とかどうするつ…」 「梨香っ!」 「え、勝…?」 突然、大声を出した勝に梨香は押し黙ってしまう 「もう…良いんだ。もう、良い」 「何の…こと?」 「解ってるんだ俺は。お前…幼なじみのお前が俺を心配してくれてんのは。痛い程な」 少し自嘲気味に勝は梨香に笑いかけた 「でも、もう良いんだ俺は。俺は良い」 俺は良い。梨香に向けたその言葉は、まるで自分にも言い聞かせているようにも聞こえた アスファルトには二つの長い影が伸びている。影の距離は重なり合う程に近いのに二人の間の距離は、いつの間にか遠い物になってしまった (いつからだ…いつから俺はこうなった) これは儚い恋の物語
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