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清水高知は転校生だった
「は、はじめまして。今日からこの学校に転校して来たました清水高知です。どうぞよっよろしくお願いします!」
(来たましたって…大事なところ噛んでるじゃん)
「あ、…」
自分に間違いに高知は顔を紅潮させてうつ向いた
「変な奴…」
クラスの笑い声の中心にいる季節外れの転校生に、勝は素直な感想を漏らした
見た目は童顔なためか自分よりも年下に見える。華奢な体型でスポーツマンという印象では無い。なにより血管が浮いて見える程に高知の肌は白かった
そのせいで高知の顔はハッキリと恥ずかしさで朱に染まっているのが分かった
(しかも、なんで三年の春に転校なんかするのかね。担任によれば家の都合とか言ってたか。でもなにより驚いたのはコイツの家か…)
最近海外ビジネスで注目されている企業がある。清水カンパニー、通称SC。
(名字を聞いた時にまさかとは思ったが、あの会社の創始者の息子とは正直驚いたな)
(そういえば、最近ここらの土地がSCに大量買収されたとか聞いたけどそれもコイツの親が…)
SCは海外事業を主に行っているが、その一方で地方のリゾート開発にも力を注いでいる
(なるほどね、根っからの御坊っちゃんて訳か。俺らとは住む世界が違う)
事実、勝は高知から自分達とはどこか違う雰囲気を感じていた
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