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高知が転校して来てから数日。事件は突然に起こった
勝が下校途中、柄の悪い連中に絡まれている高知を見つけた。学校を出てから数分の場所で学生の通りが少ない裏道辺りで待ち伏せされたらしかった。
「よぉ~高知君」
「な、何なんですか」
「お前さぁ聞いた話じゃあの大会社の息子らしいじゃないか。なら俺ら小遣い貸して欲しいんだけどなぁ」
(相手は3人…カツアゲか、今時いるんだなあんな奴ら。でもまぁ、高知は実際金持ちなんだし金渡せば助かるだろ)
勝は何の気なしにその光景を遠巻きに傍観し、そんな思いを巡らした
しかし、そんな勝の思いを否定するかのように高知は拳を握りしめている
「嫌だ…」
「えっなんだ?聞こえねぇよ」
「…君達にお金を払うのは嫌だと言ったんだ…」
(なっ!?)
高知は震えながらも、ハッキリと拒絶の意思を見せた
(なんで…なんでだ。お前なら気にする金の量でも無いだろうが)
勝も驚きを隠せなかったが、一番驚いたのは高知に絡んだ連中のようらしく3人の内の1人がいきなり高知に掴みかかった
「はぁ?なに言っちゃってんの。持ってるだけくれりゃあ良いんだよ」
「嫌だ、君達に渡すようなものは無い!」
「な、なんだと」
(ヤバい!マジでやられるぞアイツ。なんで金を渡さない?!)
そう思った瞬間
「おい止めろって!!」
考えるより先に体が動いた
勝は自分の単純に作られた思考回路に自分自身溜め息が出た。勝は話した事も無いクラスメートのためにわざわざ危険に飛び込んだのだ
ある疑問と好奇心に体を動かされて…
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