273人が本棚に入れています
本棚に追加
「――…千鶴」
「はい、何でしょう?」
「聞きたい事があるのだが…」
「私に…、ですか?」
「ああ。あんたに、だ」
斎藤は千鶴の目を見て、千鶴は斎藤の目を見て互いに見つめ合う。
ギュッ
「実は、最近…此処が苦しくなったり痛くなったりするのだが…
―…俺は病か何かにかかったのだろうか?」
と斎藤は、自分の胸に手をあて千鶴に聞いた。
「えっ…どうしたんですか?」
とうの千鶴は、不安げに心配そうな顔をして斎藤の顔を覗き込む。
「いや…心配するほどの事じゃない平気だ」
「そうですか…。あの…、具体的に教えてくれませんか?
私に分かる治療法なら、何とかなるかもしれませんし」
「ああ…分かった。
―――…実は、ある女性の事で俺は考えているのだが…」
「えっ……女性、何ですか?」
―…と千鶴が驚きつつも、斎藤は構わず話をし続けた。
,
最初のコメントを投稿しよう!