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「そうなんだ…。
だからあんなに強いんだね」
女子生徒の言葉に思わずピクッと反応してしまう。
素直に褒められるなんて、一体何年ぶりだろうか?
俺の記憶が正しければ、そんなことは一度もなかった気がする。
「ありがとう、先に戻ってて。
僕はこの三人と少し話をしないといけないから」
目一杯の愛想笑いに“僕”なんて口調、気持ち悪い。
昔の自分が見ていたらなんて言うだろうか。
「でも…」
女子生徒は渋る。
「大丈夫、学級委員として少し話がしたいだけだから」
もう一度、「話がしたい」の部分を強調して言う。
正直、この女面倒だ。
さっさと帰って欲しい。
「わかったよ、じゃあここは任せるね」
制服の乱れを直しながら女子生徒は屋上を後にした。
何度かこちらを振り返ったりしていたが、気づかないフリをしておいた。
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