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「おい、起きろ」
白眼を剥いたままの赤の頭を足で何度か小突く。
「う…うぅ…」
やっとお目覚めだ。
赤はむくりと起き上がると周りを見て目を見開く。
視界に映るのはガタガタと震え続ける自分の仲間。
「どうなって…」
「おい」
赤の声を遮って呼び掛ける。
その時青と黄色はビクッを肩を跳ねさせる。
対して赤はなんともないようだ。
……まぁそのためにわざと気絶させたんだけど…
「お前らずっと前から思ってたんだけどよ…」
足に力を込めて一気に赤の前まで突っ込む。
「自分達が強いとでも思い込んでんのか!?」
鼻に一発。
赤は呻きながら鼻を押さえる。
しかしタラリ、とドロッとした赤い液体が鼻から伝う。
気分としては、鼻をへし折ってやっても構わないのだが、目的はそこではない。
そうなってしまっては後々困ったことになる。
だから、
「俺は暴力が嫌いなんだ。
平和的にお話しようぜ」
笑って見せてやるが、三人はいい顔をしない。
……笑い方を間違えたのか?
「お、お前、そんなやつだったか?」
青が、恐る恐る俺に尋ねる。
まだ震えは治らないらしい。
万歩計を着けたらどうなるだろうか……なんもないよな。
そんなどうでもいいことよりも青の質問に答えないといけない。
「本来の俺はこんなん。
普段はいい子ぶってるだけ」
はっきりと言ってやる。
俺は優等生じゃねぇ。
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