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星なんて見に
来るんじゃなかった!
落ち着いて、冷静に。
お菓子なんて家に
いくらでもあったじゃない!
いけない、
こんなの私じゃないわ。
私ってなに!?
それは……
もうやだよ。
…………
冷静に逃げようとする一方で私の本音が頭の中でこだまする。
身体が動かない。
助けて。誰か……助けて。
その時だった。
「……ずいぶん愉しそうだな?」
「!?」
男が振り向くのと同時に私の身体も強制的に後ろを向く。するとそこには紺色のジャージに身を包んだ大柄の人影があった。デカい。170……いや180cm以上はある。服の上からでも分かる逞しい二の腕の筋肉。肩幅も身長に比例してかなり広く、凄まじい威圧感がある。
「誰だテメェ」
「……通りすがりの迷子」
男の問いに呟くように答える声。
「馬鹿にしてんのか?え?あんちゃん?」
男は私から離れると私の身体は少しよろめき、ベンチに置いてあった紙袋の上に尻餅をついた。
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