prologue

7/14
前へ
/39ページ
次へ
「じゃあ9時に公園ね~」 自宅の前に着くと幸がニコニコしながら言う。相当、今回のテストがヤバいらしい。その笑顔が逆に物語っている。 「はいはい」 私は相変わらず変わらないなと思い返事を返すと、幸は手を振り愉しげに駆けていった。 公園か。私の家から自転車で大体、10分でつく距離だ。あまり早く着きすぎても寒いだろうし、少し寝ておこう。 家の鍵を開け、自室に向かう。私の家は両親共に働いているので帰宅しても誰もいない。だが返ってその方が楽だ。勉強に関しては両親も安心してくれて何も言わないし、あまり話す話題も特にない。沈黙が続くのは流石に辛い。 私は部屋に入るとカバンを机に置き、私服に着替えるとドサッとベッドに倒れ込んだ。 明日のテストは大丈夫。例え勉強をサボっても赤点は有り得ない。 柔らかなベッドの感触が心地よい。携帯のアラームを8時に合わせて私はゆっくり目を閉じた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加