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読書の秋にはまだ早い季節、夏休み明けからも僕は図書室に入り浸っていた。高校に入学してからはこんな生活をずっと続けている。中学までは部活もしていたが元々才能があったわけでもなく、努力だけで出来るところまでやってきっぱり辞めた。周りからは勿体ないとかいう声もあったが僕には未練はなかった。結局何か夢中になれるものといえば読書だけになっていた。一人の時間が多かったから始めただけのそれにいつの間にかはまっている。好きだからはまったのではなく、他に時間の潰し方を知らなかっただけかもしれないし、ただの現実逃避かもしれないが、その自覚を持ちながらも同じことを続ける。そんなだから本を読み終わった後は余計寂しいのかもしれない。
ため息をつきながらぼんやりと帰路につく。もちろん考えているのはいつも通り今日読んだ本のこと。
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