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「ねぇ」
風が吹いていないのに隣のブランコが前後に揺れる。
首を傾げて、あちこちを見回す。
「ねぇ」
さっきよりも力強く聞こえる声。
キコキコキコキコキコキコ
大きくなった隣の音に驚き、隣のブランコを見ると、男の子がこいでいた。
「え?」
さっきまで誰もいなかったのに、突然、現れた男の子に驚いていると、男の子は私にニコリとし、勢いよくブランコをこいで前に飛び出した。
『危ない!』
ギュッと目を瞑り、着地したときに聞こえてくる音を待ったが一向に聞こえてこない。
ゆっくりと目を開けると男の子はブランコよりも高い位置に浮かんでいた。
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