とりあえずもうすぐ文化祭やでー

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「さて、これからいかに能力、才能を扱えてるかの演習戦を行う。まぁ一度にたくさんやると色々危ないからな、一組ずつ行っていこう」 実技を受ける生徒達は、演習ホールと呼ばれる空間に集まった。此処は、いかなる衝撃にも耐えれるよう特殊な防壁術が施されている、見た目や広さは普通の体育館のようだった。担当教員は木乃である。木乃以外にこの講義を行える教員はいない。集まった生徒は約四十人程度。学年はばらばらで、その中には勿論、刹那達もいた 「この演習戦では、能力の力量……レベルだな。それの計測も兼ねているため遠慮せずに能力を使え。レベルの表し方は判ると思うが、“式”で表す。現在確認されている最高のレベルは“六式”。まぁなれ、とは言わんがそれを目指して頑張るように。無理はしない程度にな」 にこりと笑って言う木乃に魅了される男がちらほら。そして戦慄を覚えた約二名の男。これが現実を知らない者と知る者の差であろう 「さてと。夾、刹那。お前らからやろうか」 「マジで?いきなりですかいぱれさん」 「お、刹那とか。燃えるな」 やややる気無さそうに返事を返す刹那と、対象的にやる気の入った返事をする夾。その二人が前へ出ると同時に、周りの生徒がざわつき始めた 「静かに!お前達運がいいな。何せあの“四天王”の闘いぶりが見られるんだからな」 「余計な事言わんといてやぱれさん。全く…」 「いーねぇ。刹那とやるのは初めてだからな。楽しんでいこーぜ」 「…せやなー。折角なんだから楽しまなな」 「ルール確認だ。相手を殺すな、能力、才能は存分に使え、武器の使用はありだ。以上。二人とも準備はいいか?」 「ええでー。ほなこれ使わせてもらおか」 そう呟き刹那が取り出したのは、よく死神などが持っていそうな大振りの鎌 「お前どっから出したんだそれ」 「最近発売された多次元収納ポケットってやつに入れてた。ごっつい便利やで」 「いいなぁ。じゃあ勝ったらそれくれ。ぱれさん刀貸してー」 「ほらよ。大切に扱えよー」 木乃から受け取った長刀を構え、刹那と対峙する夾 「嫌や。とりあえず勝たせてもらうでー」 「よし…試合始め!」
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