幼児時代

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大きな都市で生まれ、元気に育った少女はやがて3歳になりました。その頃にはお母さんがいませんでした。 少女はなんで自分のお母さんがいないのかわかりません。 たまに気になり、 「ママは?」 と聞くけれど、お父さんは 「遠くにお仕事に言っているんだよ」 と答えるばかり。 ――少女の両親は離婚していたのです。 大きな都市で暮らしていた少女はお父さんに引き取られ、お父さんの実家がある小さな町に引っ越しました。 実家にはお父さんの父、母、兄と柴犬が1匹いました。 その家には少し借金がありました。たまにかかってくる借金取りの怖い電話は少女を怯えさせました。 お母さんには年に1回の頻度で会いに行っていました。 お父さんは仕事でほとんど家にいませんでした。 ですが、休みの日はいつも遊びに連れていってくれるお父さんが少女は大好きでした。
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