人間と吸血鬼

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『これは何だ?』 『えっ……これって私のことですか!?』  ひどいです!! とか言いながら喚く杏里。  俺はそんな杏里を無視して目の前の馬鹿に言う。 『急に人間寄越しやがって………腕の一本でも貰ってやろうか』  俺はまた爪を少しずつ伸ばす。  隣で杏里が指をさして何か言ってるのは無視する。  ………いや、ってかさっき伸ばしたから、何で今更何ですか杏里さん? 『ストップストップ!! 冷静に話し合おうじゃないか夜君!!!』  はい、その君付けで俺のイライラは更に上昇。  取り敢えず机を踏み台にして馬鹿の首に爪を突き付ける。 『いや、あの……ホントに…………話せば分かるからさ…………』  馬鹿の顔から汗が滝のように流れる。 『そうですよ夜さん!! 理由も聞かずに脅すなんてダメじゃないですかっ!!!』  ………………… 『『え?』』  いやいやいやいや!!  なんか馬鹿とハモったんですけどぉおおおおおおお!!!  って問題はそこじゃなくて……… 『えっと………あなたのツッコミ所はそこですか?』  うん、敬語になってしまった………ってかこりゃなるだろ。  
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