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俺がその集団に近づくと
『ほらっ、お嬢ちゃん早く行こうか?』
『嫌ですっ!!!』
『…………』
よくアニメでありそうなシチュエーションだった。
『どうせ暇なんだろぉ??』
『そんなことないですっ!!すごく忙しいですっ!!!』
『いや、俺にどうしろと………?』
アニメでよくあるのは主人公が少女を助けに行く場面。………俺がするのか?
仕方ないともっと近寄ってみると少女は………何故か今から海外旅行に行くような大きなスーツケースを持っていた。
『………ここらへんに空港あったか?』
頭の中に地図を描いてみるが思い浮かばない。そうこうしているうちに男達の一人が俺に気付いた。
『お前誰だよっ!!』
『誰って言われても通りすがりのものとしか言いようがないが………』
ちらりと少女を見るとその少女と目が合った。すると、何故か少女は驚いたように目を見開いて『夜さんっ!!』と叫んだ。てか俺はこんな少女知らないぞ………!?
『知り合いなのか?』
さっき少女に声をかけていた男が言った。
『俺は知らないが………』
『知り合いですっ!!なので失礼しますっ!!』
そう言って俺の腕を掴もうとする。だがその前に俺はひらりと身をかわし少女に向かい合う。
『お前………誰だ?』
すると少女はニッコリと笑い
『今日から居候させてもらう、峰 杏里 [ミネ アンリ]です』
杏里と名乗る少女はその場でお辞儀をした。
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