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人間、幸せってのは何処にでも転がっている。
しかしその転がっている幸せを掴めない人間が多い、これを不幸と言うべきか。
だが中にはたなぼた、漁夫の利、何の努力も無しに一気に幸せを手にするものもいる。
これを勝ち組、と言うべきか。
なら俺は?となると…
「負け組…だよなぁ。」
楠葉 神司はボロいアパートの一室でごろごろしていた。
何か特別な事があるわけでもなく怠惰な毎日を送っている。
「負け組?何の話だ?」
質したのは父であった。
「んー、金持ちって勝ち組じゃん?」
「そうかな…?私はお金が無くても心は勝ち組だよ。」
「…現実見た方がいいんじゃ。」
少しの間の後に父は口を開く
「神司、金持ちになりたいか?」
その質問に思わず笑ってしまった。
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