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俺は父からもらった地図を便りに天宮家を訪ねた。
豪邸、旧我が家のオンボロアパートが何だか今まで自分が住んでたのかと思うくらい豪邸。
「楠葉神司様ですね、お待ちしておりました。」
大きな門から現れた70は迎えているであろう老執事が現れた。
「お荷物お持ち致します。」
「あ、いや持てるんで良いです。」
老人に重い鞄を持たせるのは気がひける。
「いえいえお持ち致しますから…」
「いや、持てるからね、ぜんっぜん平気だから。」
「大事なお客さまですから…お荷物…をっ!」
爺は何がなんでも荷物を持ちたいようだ、しかし持たせん。
「爺に持たせるわけねぇだろが…ふぐぐぐっ」
「まだまだ現役…ゼヒッ…ですぞ…カハッ…さぁお荷物ををををっ!」
ヤバい爺がヘブンにエクスプレスしちまうぞこれ。
もう諦めてくれよ。
「は、な、せ、爺っ!!」
「い、や、ですぞっ!…ゼェゼェ。」
もはや爺は白眼剥き出しであった、…アンタには負けたよ。
大人しく鞄を渡した。
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