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視界の左上の方に『通信』の文字が浮かび上がった。
今、一緒にこのクエストに参加している仲間からの連絡がきた合図だ。
「表示」と頭の中で念じると、今度は地図の画像が、視界の片隅に出てくる。
地図上、右上の地点に赤い●が点滅しているのを見つけた。
「拡大」と念じると、赤い●の地点の周辺が拡大される。
現実世界では、よく道に迷って、携帯電話のナビ機能にお世話になりっぱのオレとしては、ほんとこの機能便利だな、といつも思うよ。
猛ハンの世界観では、他の多人数プレイのネットワークゲームと違って、離れた仲間には、文章やらのメッセージを送ることはできない。
代わりに、今みたいに、色が分けられた信号を出すことができる。
まぁ狼煙(のろし)程度の通信だよね。
だけど、仲間内で、あらかじめ色に意味を決めていれば、この通信も非常に有効だ。
オレたちのチームでは、赤い●の信号は、『目標発見』。
すなわち討伐すべきボスモンスターとの接触を意味する。
地図を改めて確認すると、今いる所からめっちゃ間近のエリアであることが分かる。
このゲームを何度もプレイしているオレの頭には、すぐに最短ルートが浮かんだ。
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