01-竜を狩る者・序

5/26
前へ
/353ページ
次へ
了解。んじゃま、すぐに応援に行きましょうか! オレは自慢の武器、背中の槍をそっと確認してから、赤●の地点に向かって走り出した。 足を進めるたびに、踏み固められた雪とは全然違う、サクサクとした新雪ならではの感触を足元に感じる。 さっきから、大股で、けっこうダイナミックに走ってるんだけど、雪に足を取られたりとか滑ったりとか、そんなわずらわしいことは一切無い。 息を切らすことなく、深い雪の中、快適に全力ダッシュができる。 それももちろん、これがゲームだからなんだ。 実はオレが雪国育ちだとか、そんなんじゃないんだよね。 身長の3倍くらいあるでっかい岩を、よいしょと乗り越えたところで、30m程前方に今回の討伐対象の姿を見つけることができた。 今回の討伐対象ってのは「白砲竜サムイドス」のことだ。 オレは今乗り越えた岩の陰に隠れ、まずは全体の様子をうかがうことにした。 えーと、どれどれ、どんな状況だ?お、みんないるじゃん。 オレ以外の残りの仲間たちは、3人全員揃っていて、既にサムイドスと交戦中だった。
/353ページ

最初のコメントを投稿しよう!

369人が本棚に入れています
本棚に追加