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まるで、捨てられた仔犬のような目で、秀は私に問いかけた。
その姿を見たら、私は「はい。」と、返事するしか選択肢はなくて…
いや、ずっと付き合いたかったんだけれども…
そういった秀に対する欲求以上に、もう、一生この人の傍にいよう、っていう思いが込み上げてきたんだ。
「はぁ…良かった。超緊張したっ!ほら、手汗やばい!」
「あはは!」
「コラっ!笑ってんなよ。人の気も知らないで。…だいたい壱羽も俺のこと好きだったなら早く言ってくれれば良かったじゃん。」
「ん?私、秀のこと好きだなんて言ったっけ?」
「え!?壱羽、俺の事好きじゃないのにオッケーしたってこと?」
「さて、それはどうかな?」
秀があまりにもかわいい反応をしてくれるから、私は思わずイタズラしたくなる。
「え、ならいいよ。同情で付き合ってもらっても、壱羽には悪いだけだし…。」
急に肩を落として、秀は言った。
鈍い秀…
「秀のバーカっ!…好きだよ、秀。」
「本当に本当?」
「本当だよっ!」
「壱羽、嘘つきだからな。」
「あはは、本当だってば。」
「じゃあ、もう一回言って?」
「やーだっ!大事なことは、本当に大事な時だけ伝えるの。」
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