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「そう言われてみれば、子供のころは“ごうち”の周りにあった雑木林で遊んだときは親父に酷く怒られたっけ。あと、“ごうち”の端を流れる水路でも絶対に遊ぶなと、何度も言われたな…」
「心配だったんですよ」
とカンダ婆さんは話の最後に呟いた。
ウエノさんは帰りの車の中で
「私にはちょっと手に負えないかも。アキバさん今日はお時間取れます?」
と聞いてきた。
アキバは大丈夫だと答える。
「それならW市に行って欲しいのですが」
W市とはQ町近辺の市町の中心的役割を果たす市である。
丁度よいことにカンダ氏宅からQ町に戻る途中に通ることもあり、寄り道するには好都合だった。
ウエノさんからW市で紹介されたのは、オオサキ氏という男性であった。
ちなみに、次から次へと霊能者を紹介されて、ぼられるんじゃないかとアキバは心配したそうだが、そのときに、ウエノさんとオオサキ氏からきちんと説明を受けて安心したとのことだ。
結局その日は時間が遅いこともあって、翌日改めて現地へ向かうことになった。
そのときは俺も参加した。というより、させて貰った。
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