序章

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その世界には大きく分けて5つの大陸がある。 ひとつは北に広がる『レサーナ大陸』。 1年の大半を氷雪と共にし、そこに住む人々は忍耐強く、体型は他の人種に比べ圧倒的に大きかった。 力も強く、世界にその名を轟かす猛者も大勢いるが、食糧や特産物が少ないため、他の大陸へ侵攻する際の物資がなく、大陸を出る事はなかった。 さらに現在、レサーナ大陸には大きく分類すると、4つの国が互いに争っていた。 この事が他の大陸への侵攻の妨げになっているのは、世界中の子供ですら知っている事実だ。 “レサーナを統一した者が世界を制す” 2つめは南に位置する、幾つもの諸島が集まる『ロンブリア』 年中暖かい気候で、人々は海と共に暮らす。 陽気で人懐っこい人種だが、一方で世界一、海賊が多い事が示すように、荒い気質の一面も持つ。 特産物が多く、食糧も豊富な為、この大陸の国々はあまり争う事はなかった。 このロンブリア大陸で代表的な国をあげるとすれば2つに絞られるだろう。 ただ、両国は互いに停戦状態にあるため、現在最も平和な大陸と言える。 3つめは東に位置する『ユタ』大陸。 この世界に置いて一番広大な面積をもつ。 それに比例して、多数の国家が存在し、互いに争いに明け暮れ、日々滅亡する国もあれば新しい国が誕生する、まさに群雄割拠の大陸。 そこに住む人種は一律して、極度の戦闘民族。 弱き者は1日として生きられないその地は、他の大陸で犯罪を犯した輩が最後に逃げ込む土地としても知られる。 4つめは西に位置する大陸『メルジャ』。 独自の文化と高い技術力を持ち、世界最先端の近代国家の2国が互いに覇権を争っている土地。 この大陸からは数々の発明家や名軍師が誕生している。 人種は小柄で他の大陸の人種に比べると、戦闘能力は劣るものの、他の大陸から一度も侵略されたことのない過去を見る限り、いかにこの大陸の人々が策略に長けているかがわかるであろう。 5つめの大陸は、世界の中心に位置する『ルルカカ』。 5大陸の中で最小の土地面積だが、他の大陸と違い、唯一の単一国家が存在する。 各大陸の文化や技術、資源や食糧、宗教や人種が集う、いわば商業都市に近い国家。 世界広しといえども、この国だけ唯一、王を決めるのは国民の投票によって決められる。 この物語は、そんな世界の中で、華々しく生きてきた者達の記録である。
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