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数時間前。 珍しく学校の図書館へと私は足を踏み入れていたわけで。 勉強漬けの毎日から少しでも抜け出したかった、という気持ちから後先考えずに行ってしまった。 本棚にギッシリと詰まっている本を見ていく。 なんでもいい 何か、その世界に入り浸れる物を―― なんて考えていたら いつの間にか手には一冊の本が握られていた。 「・・・新撰組?」 あー、何か歴史の勉強で習ったような、習ってなかったような。 近くの椅子に座って、本を開いた。 結構分厚い本だったけど そんなの気にせずどんどん読んでいく。 ――――あれ? なんだろうか 視界が歪んできたぞ・・・ まさかこれは 鼻水か!? 鼻水が逆流し・・・いやいや!!! ・・・涙、かぁ 何故か泣いてしまった 何故か儚いと思った 何故か美しいと 思ってしまった。 私には無い何かが、この本の中で生きた彼等にはあった。 それが羨ましくて、悔しくて 多分そんな意味でも 泣いてしまったのだと、自分で思ってみちゃったり で、結局数時間過ごしちゃって現在に至るワケで。
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