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「――という事で、すいません。」
土下座する勢いで、私は父上に向かって頭を下げた。
「新撰組、か。ふむ・・・で、どうだった?」
「うえ?」
え、ナニこのヨソウガイな答えは!?
普通に「なにしとんじゃゴルァァァ!!!」とか、じゃないの!?ってかいつもそうじゃんこのパパ!!
「まあ、今回は許してやる。が、」
どさり。
私の頭に何かが乗せられた。
あー・・・ハイハイ分かります。
今回の“課題”か。
ゆっくりと手を伸ばして乗せられたモノを手に取る。
袋に入った何か。
がさがさと袋を開けて、中身を取り出す。
「・・・何ですかこの“安心!どこでも対応グッズ!!”的なものは。」
中身は風邪薬やら湿布やらうがい薬やら、その他モロモロが入っていた。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!薬っていってもこれ随分前の課題でやりましたし、こんな一式渡されても――」
と、焦る私の頭にぽん、と手が置かれる。
ひっ、と体を強張らせて、恐る恐る父上、というかお父さんの顔を見る
満面の笑みだった。
っていうか何で今日こんなに寛大っていうか器の大きい人になってるの!?
「今までの応用編だ。」
「応用って・・・こんなのどこで使うんですか」
「それはお前自身で考えろ。それとそれに入れる箱はそこにあるから、使えよ?」
「あ、はい。」
長年付き合ってきたボロボロの薬箱がそこに鎮座していた。
十うん年間私と共に道を歩んできた相棒・薬箱。
なんだかそのまんまだけど。
大雨の日に病院に薬を届けにいったりと、懐かしい思い出がよみガエル。ゲコゲコ。
しかしまぁ、ホントどこでこんなの使えっていうんだと思いつつ、貰った袋をそのまま薬箱に詰める。
そして自分の部屋へ向かおうと、その薬箱を持って階段を一段一段上っていく。
が
「足下がみえねぇぇぇ」
ふらつく足下
抱え方が悪かったのか安定しない薬箱
「うぉぉぉっつ!!!」
何とか勢いで上りきった。
一旦部屋に薬箱を置いて、制服を脱ぐ。
さっさとお気に入りのワンピースに着替えて、再び薬箱の中身を確認した。
「あれ?さっき包帯あったような気がしたんだけどなー」
うーん、と唸りつつ、とりあえずそれは置いといて他の物を確認していると
下の方からお父さんの声がした。
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