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「奏、薬箱持って降りてきなさい。」
「あ、はーい。」
よっこらしょい、と薬箱を抱えて、再び階段をフラつきながら下りる。
下にはまだ白衣姿のお父さんがいて、片手にマスク、片手に無かった包帯を持っていた。
「これもついでに入れておきなさい。」
渡されたマスクと包帯を薬箱に詰める。もはやこれではただの万能箱じゃねぇか!!
と、内心突っ込みつつ、再び薬箱兼万能箱を抱えた。
「じゃ、お父さんこれから出張だから行くよ。」
「うん、行ってらっしゃい」
そういえば朝出張だのあーだの言ってたのを思い出した。
半分寝てご飯食べてるからあんまり鮮明な記憶ではなかったけど。
ということで玄関先までお父さんを見送って、再び階段を上る
上ったところでシンデレラにもなれないし待ってるのはごちゃごちゃした薬臭い部屋なんだけど。
あ、ちょっと足がなんかぬめっとする
大丈夫かなこれ
「ちょ・・・っ」
すべんっ。
私は、宙に浮いた。
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