―蓮華―

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―… 「ハァ、ハァ…っ皆大丈夫?」 いそいで森を抜けたかごめ達。 「ひとまずうちに戻ろう…安全な所に行かないとね。あんたも来なよ」 珊瑚は女の子に言う。 「は、はいっ」 「怪我してるみたいだし、早く治療しなくちゃっ」 かごめが言う。 「すいません…」 珊瑚のうちに戻り かごめは女の子の怪我の手当てをした。 「よし、これで大丈夫!」 「ありがとうございますッ…」 「あなた名前は??」 かごめが聞く。 「あっ申し遅れましたっ私、蓮華と申します。先程は助けていただきありがとうございますっ」 「蓮華ちゃんねっ、あたしはかごめ、あの子は珊瑚ちゃん。」 かごめは珊瑚を指す。 「いったいなにがあったんだい?」 珊瑚が聞く。 「あ…はい…」 蓮華は話し始めた。 「実は…私の兄が突然いなくなってしまって…。私のたった一人の家族なんです…だから、あちこち捜し回っているのです。そして今朝、休んでいたら妖怪に襲われたのです。」 「そうだったの…」 「どんな妖怪だったんだい?」 蓮華はうつむいた。 「…それが…恐ろしくて姿を見てないんです…。とっさに逃げたので…」 「そっか…それなら仕方ないよね…」 「私…行かなきゃ…兄を探さ……なきゃ……」 バタンっ 立ち上がろうとした蓮華はよろけて倒れてれてしまった。
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