black・亮

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  「亮ちゃんだいすき!」 真奈は俺のちっさい頃からの幼なじみで 幼稚園から‥小・中・高ずっと一緒。 まぁ大学も一緒やったんやけど‥ 俺は仕方なく退学。 真奈はいつでもどこでもすぐ俺の元へ駆け付けれるように 大学を休学してくれている。 神様って酷いよな… 俺らな? 結婚する約束しててんで? 2人して婚約指輪して 「結婚式はここでしてー新婚旅行はどこがいいかなー」 なんて話まで してたんやで? やのに… 全部全部 ぶち壊しにしてまうんやもん。 「…真奈‥こっちおいで」 「んーっ‥亮ちゃんっ!」 俺は真奈を引き寄せ 大事に大事に抱き締めた。 なぁ‥ 俺まだ生きなあかんねや。 真奈はしっかりしてそうで 実は涙もろくて 頑張り屋で 優しすぎるあまり自分より他人を優先してまうとこもあって… ほんっまに危なっかしいやつやから… 真奈を置いて先逝くわけにはいかんねん。 やからお願い。 奇跡を起こして…。 ただただ そんな願い事するしか出来なかった。 「真奈…」 「ん…あっ…」 ふいに真奈にキスをした。 「ん…」 「っぁ…りょーちゃ‥ダメっ‥」 こんな深いキスいつぶりや。 息苦しくなったらまた危ないからって‥ キスさえ禁止や。 するなら触れるくらいのキス。 俺がそんなんで我慢できる思う? キスくらい勝手にさせてや。 どうせ長くないんやから 人を愛すことくらい自由にさせてや。 何だか今日に限って急にそんな思いがつのって イライラして‥ 胸が張り裂けそうなくらい痛くなった。
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