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「亮!亮ちゃん!しっかりして!!」
あれから1週間。
俺の様態は急変した。
病室の中。
周りには
沢山の人がいる。
それはオカン、オトンやったり。
親友やったり。
看護師さんや医師も。
それでもはっきり見えるのは
聞こえるのは
涙を浮かべて俺の手を握る真奈だけやった。
「亮ちゃんっ…」
ただ
俺の名前をよぶ真奈だけ。
「はぁ‥っ‥真奈‥泣かんで‥」
俺はそっと
溢れ出そうな真奈の涙を手で拭った。
「亮ちゃん‥ダメ‥まだいっちゃダメだよっ…私‥亮ちゃんがいなきゃやだぁ‥っ」
「大丈夫。‥大丈夫。俺は‥な…?青い…空になんねんで…?やから、いつでも…真奈の近く…に‥おれる…やろ‥?」
「亮っ‥‥」
「お願いやから‥泣くな…」
せめて
最後は笑顔見せて。
「う…ふっ…亮ちゃんっ。私…笑うよ…?ちゃんと笑ってる…?」
「お‥ん。…めっちゃ…可愛い。…好きやで…これからも…ずっと…」
なぁ真奈…
結婚…
できへんでごめんな?
結婚式も新婚旅行も…
計画たててたのに…
実行できんくてホンマにごめん。
でも…
俺な
今めっちゃ幸せ。
真奈に出会えてよかった。
真奈を愛せてよかった。
あのぬくもり
絶対忘れへんから…。
今までありがとう。
愛してる。
これが俺の
最初で最後の恋やから。
そして俺は
そっと瞳を閉じた。
END
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