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「…遅い」
昼休みになってからもう10分が過ぎた。
何やってんねんアイツは。
そんなことを考えながら
ふと過去を思い浮かべた。
――――
―――
――
―
「あたし…これからは今までみたいに章ちゃんとずっと一緒にいられへん…」
「え…?何で?」
あれは中3の終わり頃。
僕の部屋へ来ていた真実が急にそう言った。
「あたしなぁ…初めて彼氏できてんっ」
恥ずかしそうに
でも嬉しそうに言った真実。
「そう…なんや…誰‥?」
「えっとね、2組の大倉君やで」
「‥っ‥そっか…良かったなぁ」
全然よくなんかなかった。
何でよりによって僕の友達…?
何で…。
僕だって好きやったのに。
卒業の時‥
告白しようと思ってたのに。
それから何日か経ったころ
たっちょんと真実がキスしてるのを見た。
少人数教室で。
確か2人は勉強しているところやったらしい。
悔しくなって覗いてたら
徐々にそういう雰囲気になってて。
2人とも幸せそうな顔してた。
その時
僕の何かが切れた気がした。
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