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それから僕は"用事がある"と真実を家へ誘い
真実を犯した。
泣いている真実に
―「大倉と別れて?せやないとまた傷つくで‥?次は大倉か真実、どっちやろ…?」―
最低な言葉を冷たく言い放ったんや。
それに怯えた真実はすんなりとたっちょんから離れてくれた。
たっちょんは案の定"何で?"って
そんな感じやった。
確か高2になった今も
真実を忘れられてないとかいう噂を聞く。
「…最低やなぁ…僕は…」
分かってても止めるなんて無理やった。
僕が真実から離れるなんて出来ない。
それは真実も一緒。
僕から離れるなんて出来ない。
キーンコーンカーンコーン―
昼休みが終わるチャイムが鳴り響いた。
「…チッ…」
結局真実は来なくて。
少人数教室を出て少し歩くと
ありえへんところを目撃した。
「っ…真実‥と…たっちょん…?」
2人は手を繋いで
どっかへ消えて行った。
またあの日が蘇る。
イライラする。
いくらたっちょんやからって許さん。
真実に触れていいんは僕だけやねん。
僕は近くにあったゴミ箱を蹴飛ばした。
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