black・章大

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次の日…。 あてもなく いつものクセで少人数教室へ来た。 「…ここで‥どれだけ真実を傷つけたんやろう…」 キスをして ひとつになって 僕は不器用に愛の言葉を囁いた。 必死に 必死に真実を繋ぎとめていた。 やっぱり 来ないやんな。 「…かーえろ…」 そして教室のドアに手をかけようとした時やった。 ガラッ― 「章ちゃんっ…!」 「…あ‥真実…?」 真実は走って来たのか 息を切らしていた。 「…章ちゃん…あたし…っあ―」 僕は真実の言葉を遮り 強く抱き締めた。 ほら… やっぱり逃げられない…。 僕からは 逃げられないねん。 でもやっぱりそれ僕も一緒。 僕も真実に奪われた心を もう二度と取り返すことなんて出来ない。 でもこれからは… 前よりかは罪悪感はなくなるんかな…? それはないか… だって真実を傷つけた事実は変わらないから。 お互い心に穴を開けたまま。 一体2人はどこまで堕ちていくんやろう。 END
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