sweet・忠義

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「たっちょん、口ついてる」 「取ってー」 「うんっ」 そうやってゆらが近づいて来た時やった。 パサッ― 「あ…」 「え…」 最悪なことに 隠してたエロ本が姿を表した。 「…いや、えーと‥これには深いわけが…」 「…あはは‥きれーな人だね。グラビアアイドル‥?」 「え、あ、うん‥誰やこれ。でも僕にはゆらしかきょーみ‥」 「ごめん、ちょっと用事思い出しちゃった」 「ちょ、ゆら―」 ゆらはそそくさとお弁当を片付けて足早に屋上を出て行った。 やってしまった…。 かんっぜんに嫌われた。 だって… あんな可愛い子が彼女やのに未だキス止まりやねんもんっ。 しかもキスって言っても ちゅって ちゅって感じの触れるか触れないかのそんなキス。 ゆらは初めてらしいし まぁ… 僕も初めて。 そんなゆらに簡単に手を出すのもあれかな… ってのもあるし まぁ自分も怖いってのがある…。 やからせいぜいエロ本見てニヤニヤするくらいやった。 ゆらに触れたい。 ひとつになりたいっていつも思う。 でもゆらはどうなんやろう。 僕に触れたいって思う? 繋がりたいって思う…?
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