black・信五

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ピーンポーン 家に着き 俺はインターホンを鳴らす。 「はい…あ、信五‥!!」 「‥久しぶり(笑)」 「うん‥久しぶりだねっ」 軽い挨拶を交わした俺達は 部屋へと足を進めた。 「コーヒーか紅茶、どっちがええ?」 「あ‥気遣わなくていいよ。私もう帰るし‥」 「ええやん。ちょっとくらい」 俺は少しでも梨恵といる時間を増やしたくてそう言った。 「‥じゃあ‥紅茶、もらおうかな!」 「おん。紅茶な!」 それから2人で ソファーに座って紅茶を飲んだ。 「信五‥何だか元気ないね‥?」 「え‥っ…そうか?それ大倉にも心配されたわ(笑)」 「ホントだよ?TVで見ても、いつもと違うもん。‥それにちょっと痩せたんじゃない?」 「‥はは…お前は何でもわかんねんな…」 ホンマは梨恵の言う通り。 最近全然元気も出ーへんし 食欲も無くなった。 何でか分かるか? お前がおらんくなってもたからや。 もう1度… やり直したい。 また前みたいに… 隣で笑っててほしい。 それを伝えようと口を開いた。 「俺―」 「私ね…最初は信五と別れたくなかった。でも‥今はもうちゃんと吹っ切れたの。だから…信五も早く私なんか忘れて、幸せになってね‥!」 そう言って梨恵は笑った。 この時 ホンマに俺達は終わったんやと 思い知らされた。
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