sweet・候隆

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「妊娠3ヶ月に入ってらっしゃいますね。おめでとうございます!」 「…妊娠…ですか…」 「はい。生みますか?それとも―」 「…っもちろん、生みます!!」 「あははは(笑)了解しました。頑張って元気な赤ちゃん生みましょうね!」 あれから2日後 あたしの仕事がない日に産婦人科に行った。 そして 妊娠していた。 愛璃と遊びに出た日からずっとドキドキしていたし もちろんきみくんになんて言えやしない。 言えないよ…。 だって きみくんは今大事な時期。 こんな時に妊娠したなんて分かったら… きみくんにはもちろん メンバーにだって迷惑だよ。 それでもあたしは生みたい。 だから迷うことなく先生に生むことを告げた。 もし きみくんと離ればなれになるようなことがあっても。 あたしは生むよ。 だって神様があたしときみくんに授けてくれた 大事な命だもん。 家に帰って きみくんが家にいるにも関わらず "ただいま"の言葉もかけずに寝室のベッドに潜り込んだ。 「あ‥そうだ、妊娠検査薬もう捨てておこう。使わなかったからもったいないけど‥いいよね」 遊びから帰った日に買った妊娠検査薬。 でもやっぱり自分ひとりで妊娠の結果を知るのが怖くて 使わずにそのまま病院へ行った。 あたしはそれをゴミ箱に捨てた。 そしていつしか眠りについていた。
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