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ガラッ―
「先生っ!!」
「うわわっ!…なっ、何やビックリしたー、理央か。ノックくらいせー、アホ」
「あっ、ごめん‥なさい‥//」
何で今ここで着替えてるんだ。
そっちの方が気になったけど。
先生の裸を見て何だか恥ずかしくなってしまい
顔をそむけた。
「‥ん?てかお前びしょ濡れやん!傘さしてきたんか!?」
「いやー、置き傘ばっかりしてて、傘一本もなくってさ‥」
「うわ、めっちゃアホや(笑)これ、使い」
そう言って先生は
あたしにタオルを渡してくれた。
「先生、何で着替えてるの?」
「え、後からまた着替えるのめんどいやん(笑)やから先着替えとこおもて」
「そっか。先生も"アホ"だね(笑)」
「うっさい」
あたしは先生の向かい側の椅子に座った。
「はい、レポート」
「お、ちゃんとやってきてんな。えらいえらい」
そう言って先生は
あたしの頭をくしゃくしゃの撫でた。
「もー、それやめてよぉ。子供じゃないんだから」
「いやいや、子供やろ(笑)」
あたし‥
子供じゃないよ。
もう
大人だよ?
先生にとっては
あたしはまだ子供なのかな。
「‥う"ー…寒いっ…」
だんだん寒くなってきて
頭がぼーっとしてきた。
「ったく…。これ、俺のやけど着とけ。熱出されたら嫌やからな~」
「…何で…?」
「やって、お前の授業中、話すん楽しいやん(笑)俺と趣味合うん理央くらいやろ?」
「…そだね…。ありがと…」
先生のちょっとした優しさが
あたしは大好きだった。
あたしのことアホ呼ばわりしながらも
何だかんだで良く分かってくれるんだよね。
そんなことにまたドキドキしながら
先生の着ていたジャージを
袖はとおさずに肩にだけかけた。
ふわっと香る先生の匂い。
大好きな先生の匂い。
キツくもなく甘くもないちょうどいい匂い。
何の香水使ってるんだろ。
「あ、せや、いいもんやるって言うてたよな~…」
「あ、うんっ。なになにっ??」
あたしは嬉しくなって
先生の貸してくれたジャージのポケットに手を入れて立ち上がった。
その時に気付いちゃったんだ。
指輪がね…
片方のポケットに入ってたのを。
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