black・隆平

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ピンポーン 私は隆平の家のインターホンを押した。 「はい‥あっ‥れいちゃん‥」 「隆平久しぶりっ。大丈夫?あ、これ休んでた分のプリント類だよ」 私はその封筒を隆平に渡した。 隆平は そんな私の腕を掴んだ。 「‥れいちゃん‥俺‥」 「ん…?」 この時 私が隆平の少しの異変に気付いてあげれてたら 私達は離ればなれにならなくてもすんだのかな…? 「…いや、何でもない」 「そっか。あっ、てか私ね、3組の大倉君に告白されちゃったんだ!!」 「っ…そう…なん」 「すごいでしょー??私もやっと告白されるようになったかって感じだよね(笑)」 「……」 「でも私はやっぱり隆平がっ―」 "でも私はやっぱり隆平がいなきゃダメだから…" そう言おうとしていた。 隆平は掴んでいた私の手を力強く引いた。 グイッ― そのまま隆平の部屋まで連れられて ベッドへと倒れ込んだ。 「麗香…」 「ったた…。隆平…何?どうしたの?」 私はワケが分からずそう聞くことしか出来ない。 「…もう…これで最後なんや…」 隆平はそんなことを呟いていた。 自分自身に言い聞かせるように。 「りゅーへ…きゃっ…ちょっと隆平っ…!やめてっ」 私は隆平とキスをしていた。 幼なじみであり 大好きな人としたファーストキスは 甘くなんかない すごく苦くて苦しかった。 私達は ひとつになった。
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